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戦国無双シリーズ 真田幸村総愛され欲を書き散らすブログ。幸村を全方位から愛でたい。
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【幸村は右目から真っ赤な花が咲く病気です。進行すると強い痛みを伴います。星の砂が薬になります。】
幸村は己を訪ねてきた人の気配に、ふんわりと相貌を和らげた。
なんとも痛ましげな顔をして、具合はどうだと気遣う声こそが酷く苦しそうだ。
はい、今日はこの晴天のおかげでしょうか、昨日より随分楽です。
その答えに、信之は小さくほっと息をついた。
こんなものは気休めだ、と己の胸が疼く。
痛みは日毎に増している。花は、初め梅の蕾ほどしかなかったのに、どんどん大きく育って今は顔の右半分をほとんど覆ってしまいそうだ。
痛みの強さが花を慈しんでいるかのように、頭痛が絶えず、雨の日などは割れそうでたまらない。
それでも幸村は信之へ決して、そのことを言わなかった。
痛むかと問われればいいえと首を振る。痛むのだろうと言われればかすり傷にも及びませぬと返す。
信之の優しい心が苦しむことの方が、幸村にとっては辛いのだ。
「兄上、どうかご心配なさらずに。大したことはございませぬ」
「本当か?」
「はい。ただ、花が邪魔をして、兄上のお顔をよく見られぬのが寂しいです」
子供じみた言い様をすると信之の様子が僅かに明るくなる。
その言葉は本心の一部であるのに、関心を逸らすための方便のようで、罪悪感が喉を詰まらせる。
「辛かったら、直ぐに呼びなさい。してやれることも、ないのだろうが」
信之が去ったあとの部屋に、くのいちが音も無く現れる。こちらもやはり哀しそうだ。
「幸村様、そうやって笑うの、やめてくださいよぅ」
「すまないな」
謝るくらいなら痛い痛いって当たり散らすくらいしてほしいです。
くのいちの泣きそうな声に、幸村はようやく、伸びた背筋を緩やかに曲げた。
* * * * *
幸村の背はどんな時でも凛と伸びてるだろうから、それが曲がってしまうのは相当辛い時だという妄想。
だからこそ人には見せない伏した背中のなだらかな曲線を撫でたいと思うわけです。弱ってる幸村萌え。